円安というより実力相応?
昨日のブログでは、日本財政のデフォルトリスクは低く、悪い長期金利上昇は現時点では心配無用と書きました。
円についても、文字通りの「責任ある積極財政」を続ける限りにおいては、直ちに円の極端な暴落は無いと考えています。
しかし、現状でも十分円安ではないか⁉️
との意見もあるでしょう。1ドル=160円越えというのは40年振りの円安なのだから。
単純にレートだけで判断すると、確かにそうではあっても実態は異なります。
そこで実質的な通貨の強さを示す指標として国際的に利用されているのが、実質実効為替レートです。
⭕️実質実効為替レートとは
「ある国の通貨が、主要な貿易相手国に対して、物価の違いも考慮したうえで、どれだけの購買力・価格競争力を持っているか」を示す総合的な指標です。
* 実効:ドルだけではなく、米国・中国・欧州など主要貿易相手国との為替レートを、貿易額に応じて加重平均する。
* 実質:各国との物価上昇率(インフレ率)の違いを反映する。
* レート:その結果、通貨の「総合的な強さ(国際競争力)」を表す。
実質実効為替レートで評価すると、日本円の実力は概ね1960年代後半から1970年代初頭レベル。ニクソンショック前の固定相場制末期、実質的には1ドル360円時代と同等のようです。
それなら40年前どころでは無い、とんでもない円安ではないか‼️と思われるでしょうか。
でも私は、円安では無くて実力相応だと思うのです。実質実効為替レートは国際的に認められている客観的指標。ほぼ信頼できる指標なので、不当に円を低く評価しているのではありません。
円が安いのでは無くて、実力相応。円の価値を支える日本経済の実力が1970年頃のレベルなのだと理解した方が的を射ているでしょう。
当時は安かろう悪かろうの評価しか無かった日本製品がやっと世界に認められ出した時代。
油断するとすぐに貿易赤字になったり、外貨持ち出し規制が厳しかったりした時代から、やっと安定的に貿易黒字を稼げるようになって、メードインジャパンが世界に轟き始めた時代。
その頃と今の日本経済の実力がどちらが上か?微妙ではないでしょうか。少なくとも今が上とか胸を張れる程ではないでしょう。
当時は日の出の勢いだったのが、今は下手をすれば一層落ち込みかねない状況。
だから現在の円安は実質的にせいぜい実力通り。油断すればさらに円安になると思います。
日本産業、輸出競争力の復活が無ければ、一層円安は進みかねないのではないでしょうか。