またジリジリと円安になってきました。ドル円が158円を越えて160円が見えてくると、片山大臣以下、財務省関係者の円安牽制発言が増えます。
日本は変動相場制の国なのに、為替の一定水準を人為的に恣意的に事実上コントロールしている。
既に今年になってからでも約20兆円も介入したのに、まだ介入すると警告する。
もう異常としか言いようが無い。別に160円に特別な意味は無いのに、事実上の防衛ラインになってしまっています。
これは全く為替を自由に委ねてしまうと、どこまで円安が進むか読めず、売りが売りを呼んで円暴落と資本逃避が起きかねないという過ぎた恐怖心で、あえて無理矢理160円近辺を上限にしていること。
あとは160円を大きく越えるレートは数十年ぶりの円安となって世論が大騒ぎになり、円安インフレで高市政権の支持率が下がる、つまり政治的に耐えられない、政権支持基盤が揺らぐこと。
この2点は大きいと思われます。
そんなに円安が嫌なら、日銀にどんどん利上げさせれば解決するのですが、それはそれで景気を極端に冷やして株価暴落が起きるので嫌だ、限界が有る。
結局は八方塞がりで、追い込まれてしまっています。
個人的に思うのは、160円をあまりに意識させ過ぎて、かえって手足を縛っているのではないかと。数年前からすれば150円でも凄い円安ですが、人間は徐々に慣れるもので、今は150円で何とも思わない。むしろ円高に思えてきている。
160円もそれが続いて見慣れてしまうと、誰も騒がなくなる。そのうち円は安過ぎるから買いだ!となってどこかで反転する。
市場メカニズムとはそういうものなのですけれど。
こんなことより、もっと本質的に政府の恐れているのは、高金利で利払いが膨らみ、財政の重しとなることでしょう。
国債発行額が約1000兆円で、日銀のイールドカーブコントロールが効いて長期金利が低く抑えられている間は利払いが増えず、せいぜい数兆円だったものが、最近は徐々に上昇している。
10年長期金利は既に3パーセント以上が定着していて、数年後に借り換えが進んで、3パーセントを上回る利率で発行された国債が大半になれば、利払いは急増します。
単純に1000兆円の3パーセントとしても30兆円。
これは年間消費税収入にほぼ匹敵する額です。
これ以上に国債発行額が増え無くても、金利(長期)が上昇すれば巨額利払いに消えてしまって、必要な支出に使えなくなる。
長期金利を下げるには、以前のように日銀が長期国債を爆買い^_^!すれば簡単ですが、それは金融市場に資金をジャブジャブ投入する事で、金融引き締めと逆行し、それこそ円の暴落につながるので出来ない。
政府が最も恐れているのは、実はこのことではないでしょうか。
投資は自己責任です