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欧州けちんぼ4か国連合

欧州コロナ対策スキームがやっと纏まったようです。グラント(無償供与)3900€、融資3600€。当初案はグラント部分7割ということでしたが、4か国が執拗に反対したそう。


その4か国は’frugal’と表現されていました。節約とか倹約というニュアンス。本音は’stingy’けちんぼ、ドケチが相応しいですが、あまりに品位がないということか。


そのけちんぼ筆頭は順当にオランダ。go Dutch(割り勘)という表現でも有名。世界でお墨付きのドケチ国家です。続くは北欧のデンマーク、ノルウェー。北欧は短期間ですが住んだこともあり、一緒に勉強したり、仕事したりした経験がありますが、皆本当に堅実で、足が地についているという印象。華美なことや無駄を嫌います。小国で気候も厳しい所なので自然とそういった性質が備わったのかもしれません。


ちなみにフィンランドは今回の4か国に含まれてはいませんが、水面下ではグラント縮小支持派だったそうで北欧気質は同じです。


意外なのがオーストリア。バブルのころ何回か行ったことがありますが、ドイツ語圏ながら享楽的で昼から酒飲んで、あんまり働かない、宵越しの銭は持たない楽しい人達(どんだけ偏見やねん)というイメージで大好きでした。同じ酒飲みでもドイツ人とは全く違います。最近はそういう時代でもないのか、改心して真面目になったのか、昨今のオーストリアは堅実なのですね。


今回のスキームは生粋の有無を言わせぬ財政緊縮の雄、ドイツとフランスがユーロ圏のリーダーとして、コロナで傷んだ欧州全体の経済を考えての英断。あのドケチ教祖ドイツが出した案を4か国が拒否したというのは、ヨーロッパの難しさをあらためて思わせます。


決して口に出しませんが、北欧、オランダ、ドイツなど勤勉で節約に努め、やっと今日の繁栄を手に入れた国々の人は、ええ加減で怠惰な南欧諸国(あえて国名は書きません)になんで援助したらなあかんねん。という本音の感情を強く持っているので。


ところで今回のヨーロッパ全体としての財政支出は、通貨と金融政策は統一されても、財政は各国バラバラだった状況に一石を投じたことは歴史的です。


欧州一体の財政ということになれば、豊かな国の国富が貧しい国へ移転することになります。もらう側はごっつぁんです!で良いですが、取られる方は何であいつら怠け者に?となり、反EU世論が盛り上がりかねません。逆にそれで貧しい国を助けないとなったら、それはそれでイタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガル等でEU離脱派や極右、それより怖い親中派が勢力を増すことになりかねません。


これは本当に根が深い問題で、宿痾ともいうべき欧州の弱点として、将来にわたって影を落とし続けるように思います。


私が欧州株投資に前向きになれない理由の一つは、こういった欧州統合の難しさにもあるのです。