ご存知の通り、昨日の日銀金融政策決定会合で、現状の金融政策の継続が確認されました。

先月、日銀は異次元緩和から脱却したばかりであって、変更は無いのは想定内。

それでもこのところの円安を受けて、植田総裁から何らかの円安阻止に繋がるタカ派メッセージは有ると多くの人は予想していました。

私も期待して注目していました。

結果は超ハト派。

学者の植田さんお得意、第一の力（外的インフレ要因）、第二の力（内在的、自律的インフレ要因）を引用。

簡単、雑駁に表現すれば、円安による第一の力の影響はもはや大きく無い、第二の力による自律的インフレ継続、言い換えるならデフレ脱却は完了していない、といった内容でした。

事実上の円安容認。これでは投機筋が極端な円売りでもしない限り、政府も為替介入出来る余地は有りません。

我々一般庶民の感覚では、超円安で物価は上がる一方で困っているというのに。まだまだ苦しめられるのか。

日銀も馬鹿ではありません。金融政策を勘や勢いで、エイヤ!と決めている訳では有りません。

優秀な日銀スタッフが膨大なデータを元にあらゆる分析を行ったうえで、想定される限りのシミュレーション、将来予測の果て導かれた結論が昨日の植田総裁のメッセージに込められています。

しかも前黒田総裁時代とは異なり、幹部の多くは主流派。伝統的金融政策を支持する人達。

日銀に裏で少なからず影響を与える政界も、安倍派が崩壊し、従来の正統派が復活しています。

にもかかわらず昨日の様な結論に至ったのは、日本経済の状態が悪い、不用意なタカ派スタンスは経済的にも政治的にも耐えられ無いというのが実情なのでしょう。

「金利上昇で企業や家計、財政にダメージを与えデフレに逆戻りするリスクより、超円安インフレの方がまだマシ。」

遺憾ながらこれが最終結論です。

欧米の利下げが見えるまで円安は収まらない事がはっきりしたと思います。

もちろん過度な投機は、介入阻止が可能でしょうが、だからと言って大きく円高にはなりません。

円高はトランプ大統領待ちか。

投資は自己責任です

暑い!