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日銀の責務

先週の日銀の金融政策決定と植田総裁の会見の後に円安が加速した事で批判が出ているようです。


確かに植田さんも正直過ぎて、もう少し言い様があるだろうと思わないでも無いですが、下手なリップサービスせずに、率直で振れなかった事で日銀職員はほっとしたでしょう。


なぜかと言えば日銀が最重要視する原則を決して踏み外さなかったから。


植田さんは学者であって日銀内部の人ではありませんが、過去に日銀の委員を歴任しており、内情を真に理解している、上辺だけでは無い事を実感したでしょう。




日銀は総裁の個人商店ではありません。純粋の上場銀行でも無い、極めて特殊な銀行です。


大きな権限を持つ一方で、その責務は法律で厳格に規定されています。


日銀にとって憲法とも言えるのは、日本銀行法。


日銀総裁、幹部といえどもこれに反したり、逸脱する事は断じて許されません。


日銀法第一条は日銀にとって最も大事な日銀の目的が明記されています。存在意義、責務と言っても良いでしょう。


それは:


- 物価の安定

- 信用秩序の維持


日銀法に抵触するので、金融政策によって直接円安を阻止したり出来ません。間接的に日銀の金融政策は為替レートに影響を与えるのは事実ながら、金融政策は物価の安定にのみ行使されます。


現時点で日銀の物価安定のターゲットは2%のインフレです。


現状はクリア出来ているものの、景気が弱含みエネルギー価格の上昇も一服しているため、来年度、再来年度のインフレ率予想は2%を下回っています。


実際、直近東京都のインフレ率は予想を大きく下回り消費不調とニュースがありました。東京でさえこの状況なら地方はもっと悪い可能性があります。


これでは日銀がこれ以上金融引き締めを進める事は現時点で無理です。


むしろ円安でコストプッシュインフレが進む事で物価目標を達成出来ると思っているのかもしれません。


それで企業収益が上がり、賃金も増えれば植田さんの好きな?第二の力でインフレと成長の好循環になるという訳で。




そんなに上手くいくだろうか。円安インフレで庶民は財布の紐を一層締めそうだけれど。


日銀のマクロ経済分析ではそうなっていないのです。


長閑だなあ