違和感から感動へ
何年ぶりかわからない程久しぶりにオペラを鑑賞することができました。
関西にもオペラ上演可能な劇場は幾つかあり、特に琵琶湖ホールは素晴らしいのです。
ハード施設は充実。
しかし首都圏に比べ市場規模が小さく、特に昨今は日本経済衰退で海外からの来演は減っている様に感じます。
オペラの楽しみ方は人様々。日本人によるオペラも非常にレベルが高いですが、私の場合はオペラ愛好家という程でもなく、機会があればたまにはエンタメとしてヨーロッパの雰囲気を味わいたい、という程度。
本場歌劇場にワープした様な幻想に浸りたい。
当面ミラノもウィーンも行く予定が無く、今晩はナニワでイタリア気分と乗り込んだ、ボローニャ歌劇場公演。
演目はプッチーニ「トスカ」
悲劇は好きでないが、仕方ない。
一杯引っ掛けて、「歌に生き、愛に生き」に酔いしれよう。(昔は歌に生き、恋に生き。と訳してたのに、恋じゃ駄目ですか)
ところが、なんと肝心要、主役のトスカ役がダウンで、急遽、日本人に変更のお知らせ。
詐欺やん、ウン万円も払ったのに。
正直ガッカリでした。日本人が下手とか言うのではありません。むしろ代役の方が上手いかもしれない。
けれど、欧州人とは見た目はもちろん、フィジカルも異なり、言葉、育った文化、歴史も違う。
いくら達者でも、演歌や民謡を外人が着物着て歌うと日本人は違和感を感じるのと同じです。
案の定、最初に和製トスカ登場の際は、欧米人に囲まれて、なんで東洋人がという残念な気持ちになってしまいました。
けれど、トスカ役の並河さんの鬼気迫る熱演と本場歌手達の懸命なサポート、そしてプッチーニの美しいメロディに、そんな事はどうでも良くなり、ただただ酔いしれ、あっという間に終幕。
他の観客も同じ思いだったでしょう。
スタンディングオベーション、ブラボーの嵐鳴り止まず。
音楽の力、人種も関係無い。人間の素晴らしさ。
並河さん、ボローニャ歌劇場の皆さま。感動をありがとうございます♪