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【PPI】やっぱりインフレ退治の先は長いと思う

米国4月度CPIに続き、昨晩はPPI(生産者物価指数)の発表がありました。


結果はほぼ予想通りか若干下回る程度。CPIと同様で指数の伸び率は低下傾向にはあるものの、その度合いは停滞傾向。


株式市場の反応はこれといって特別なものはありませんでした。今はPPIよりも、連邦政府の債務上限問題と地銀の信用不安の方が注目されているのでしょう。




ところで、FRBの基本スタンスは、インフレ率(主としてPCE)が2%まで下がって安定するまで金融引き締めの手を緩めないこと。


それによって幾分の痛み(失業率の上昇)があっても、インフレを高い状態で放置している方がよほど悪影響がある。


パウエル議長はこれまで再三にわたってこのことを強調しています。


これは70年代にFRB議長だったアーサーバーンズが、不用意に金融緩和してしまったことで、インフレを悪化させた二の舞だけは絶対に避けたいと思っているからでしょう。


当時のアメリカはインフレだけでなく、スタグフレーションにまで陥りオワコン化しました。株価は低迷し、そして何よりFRBのデュアルマンデートとの物価の安定と雇用の確保にも失敗したのです。


バーンズが史上最低のFRB議長と呼ばれる所以です。


まあ、彼がすべての責任というのは言い過ぎで、ベトナム戦争の後遺症やOPECの台頭、民主党ピーナッツカーター大統領の不手際など、不運が重なったこともあります。氏の名誉のため付け加えます。




いずれにせよ、パウエルさんがインフレ率2%に拘るとするなら、利下げはずっと後です。


たとえば一昨日に発表になったCPI総合が4.9%でしたから、これが毎月着実に0.2%下がるとしても、2%になるには14.5か月もかかるのです。1年以上先です。


それは極端としても、市場参加者が予想するように、あと2、3か月で利下げとか有り得ないのではないでしょうか。そこまでこれからインフレが急速に収まるとは思えません。




早期の利下げ期待や長期金利の下落のおかげか、このところNASDAQは好調を続けています。


それでもこのまま右肩上がりとか期待しすぎないようにしたいと思います。


投資は自己責任