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米国株価について少し考えてみた


🔴PER、PBRの各国比較



上の表の左側の数字は昨年12月時点の実績PER(price earning ratio)、右側はPBR(price book-value ratio)で各国、地域を比較しています。ちなみに株価分析には予想PERを用いるのが正道らしいですが、傾向を見るということでご容赦ください。


自然なことではありますが、PERが高いところはPBRも高い傾向があります。


主要先進国の中で、米国はPERが高いと言えるでしょう。PBRも頭抜けて高いですね。





🔴米国株PBRはなぜ高い



PBRが高いということは、レバレッジが効いており、それが株価上昇に寄与していると言い換えるなら、一般には米国は他国と比較して資金需要が旺盛な成長企業が多いとみなせます。




ただ最近よく言われるのは、これだけではなく自社株買いの影響。つまり低金利を利用して借金をして、自社株買いをすることでEPS(earning per share)が上がり、これが株高→PBR上昇に繋がるというものです。


昨年の利下げ以降の米国株の場合はどちらも当てはまり、これらによって米国のPBRの高さをある程度説明できると思われます。


どちらの寄与度が大きいかは、正直なところよくわかりませんが、仮に多額の借金による自社株買いの影響が大きいとすれば、それは人為的な株価つり上げであり、金利上昇局面で脆弱性が一気に露呈するので、注意が必要しょう。






🔴 米国株PERはなぜ高い



PERについては、自社株買いによってEPSが上昇はしますが、その上昇分と同じ比率だけ株価が上昇すると仮定すればPERは上がりません。




つまり自社株買いはEPSの上昇により株価上昇に寄与しますが、それはPERの上昇に直結するものではないと言えます。これがPBRとの違いです。

ということは、やはり米国のPERの高さというのは、ある程度は投機的需要、言い換えれば投機目的の買いが他国と比較してより多く、その分割高なのではないかということです。




もちろん前記のとおり、米国には成長企業が多く、そういった企業はPERが高くなる傾向にあるので、構造的にそれが貢献している部分も大きいとは思いますが、それだけだ!と言い切れるでしょうか?私にはわかりません。さらなる分析が必要ですね。








🔴結局のところ米国株は割高なのか


最後に、米国株の絶対的水準についてですが、現在のアメリカ金利は歴史的に低い水準にあるので、従来の基準で割高とされているPER20辺りであっても決して割高ではないという考え方があります。




それを聞いたとき「なるほど」!と思ったのですが、ならば日本や欧州などずっと前から米国よりはるかに低金利なのに、PERは低いままというのをどう説明すれば良いのかと、考え込んでしまいました。


普通に考えるならば、日本や欧州の期待成長率が米国より低い、成長産業に乏しいので、PERが低いのだという結論になってしまいます。




でも本当にそれだけなのか?いくらかは投機的資金が米国株に過大に流れていることが影響しているは。それがどれほどで、本当は米国PERはいくらからオーバーヴァリュード、割高なのか?今の私にはわかりません。




より精緻な数的分析が必要でしょう。だれか得意な方やっていただけませんか?