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eMAXIS Slim米国株式S&P500だけでよいのか問題:その6、番外編


これまで5回にわたり、「eMAXIS Slim米国株式S&P500だけでよいのか問題」と題して、他の海外株式インデックス投資信託への分散投資の可能性を模索してきました。


これは極めて特殊?な個人的ニーズに基づくものであり、普遍性、一般性を追求したものではないことは、以前のブログでも書かせていただいている通りです。


私の場合という限定条件ながら、前回までの結論は、当面の特定口座でのメイン投資は「eMAXIS Slim米国株式S&P500だけでよい」でした。


基本それは変わらないものの、少々ユーロの強さ、ドルの弱さを軽視し過ぎているのでは、ということは心の片隅に引っかかっていました。ドルは長年経常収支赤字が定着。一方のユーロは2012年ごろから輸出の好調もあり、経常収支は継続的に黒字。その額も安定的に増加しています。


このことはユーロ/ドル間で潜在的にユーロ高、ドル安圧力が溜まっている状況とも言えるからです。ただ、これは昨日、今日始まったことではなく、十年近く前からのことであり、その割にユーロ高は顕著になっていません。


だから、それほど心配いらないのではと思っていました。しかし、ロイターコラムの植野さんの記事を読み、コロナ騒動で状況が大きく変わったのではと思い至ったのです:


1.アメリカの大幅利下げ、金融緩和により、ユーロとの金利差が縮小。しかもユーロは既にマイナス金利を相当深堀しており、利下げ、緩和余地は少ない。


2.アメリカの大規模財政出動が今後も継続することが予想され、アメリカの経常収支赤字が一層拡大する可能性が高い。ユーロ圏も復興基金の創設を独仏が打ち出し、財政拡大の方向にあるが、加盟国の完全に足並みが揃っておらず、規模的に十分でない可能性もある。


このように、これまでのマクロ的ファンダメンタルズに加えて、上記2点によりさらにユーロ高へ向かう素地が整ってきています。


もちろん、これだけでユーロ高が一方的に進むとは言い切れません。コロナが収まってアメリカの景気が本格的に回復すれば、FRBはインフレ懸念から、金融引き締めに入るでしょう。これだけで経常収支が黒字にはならないでしょうが、赤字膨張は止める方向には向かうとは思います。少なくとも金利差は開き(ユーロ金利がドルほどは上がらないと仮定するなら)ドル高要因にはなります。


為替の予測は玄人でも難しく、素人が予想することは無謀でしょう。しかし、金利、経常収支などのマクロデータは誰でも入手可能であり、為替は中長期的には、これらの動きを反映して妥当なところに収斂するとするならば、ある程度は注視しておくべきこととは思います。



米国株価の上昇が突出し、ドル高懸念もある昨今。ユーロをはじめドル建て以外の資産への投資分散を検討しても良い時期なのかもしれません。



個人的な意見です。投資は自己責任です。