日本時間で本日未明のFRBパウエル議長のスピーチの後、米国長期国債は売られ（＝利回り上昇）それに伴いハイテク中心のナズダックを筆頭に米国株は総崩れ。

もうセクターローテーションとかいうレベルでは無くなってきます。

でも、パウエルさん発言の何がいけなかったのかといえば、彼は最近の長期金利上昇に一応の懸念を表明したものの、それに対して具体的アクションを何ら提示しなかったからです。

CNBCが伝えるように：

“According to Fed officials, the central bank is far from any action to try to influence the long end of yields, despite expectations from economists and Wall Street strategists,” CNBC’s Steve Liesman reported.

FRBはそもそも「エコノミストやウォールストリート筋が期待しているにもかかわらず、長期利回りに影響を与えるアクションを取ることからからは程遠い」のです。

日本や欧州のように、中央銀行の伝統的金融政策から一歩踏み出して、長期金利までコントロールするということは無いという従来通りのスタンスが、あらためて今日のパウエルさんのメッセージで確認されただけ。

３月に入って米国株価軟調とはいえ、S&P500は3800を僅かに下回った程度。直近安値では僅か４か月前の昨年11月のS&P500は3300を少し上回る水準なので、そこから見れば今でも十分高い位置。

FRBが慌てふためいて何かアクションを起こす段階ではありません。それよりバイデン政権の無用なばら撒きを阻止する方が、債券市場にも株式市場にもメリットはあるでしょう。