イエレン財務長官はマジでやる気だ
アメリカのコロナ追加経済対策(stimulus)が14日までに確定することになりました。
案の定、週明けニューヨーク市場は、これによる長期金利上昇を受けてナズダックが大きく下落。逆にオールドエコノミー主体のダウは経済対策効果を好感しての上昇。中間?のS&P500は大きな割合を占めるハイテク株下落に引っ張られ、ナスダックほどではないもののマイナスで引けました。
まあ想定内でしょう。FOMCでパウエル議長のメッセージがはっきりするまでは、それほど米国株価に過激な動きは無く、様子見状態かと個人的には予想しています。
ところでイエレン財務長官は今回の追加経済対策を全面的に支持。インフレ懸念など一蹴。ある程度の金利上昇は景気回復の証と自信に満ちています。彼女はとにかく今は財政策総動員し、可能な限り早期に(来年までに)雇用をコロナ前まで回復させることに全力投球する。
彼女の決意は本気、はったりは無いでしょう。
それでもインフレになったらどうするの、との問いには、「いくらでも対応手段は有るから心配無用」と自信に満ち溢れています。
確かにコロナ前のトランプ時代、ほぼ完全雇用が達成されていたにもかかわらず、インフレ率は低かったので、今回も過剰な心配は無用ということなのでしょうか。
今はコロナで需給ギャップが発生しているので、政府部門の支出によって潜在供給力に見合うだけ需要を創出するというのは、マクロ経済的に正しいといえばそういえます。それに伴う、財政悪化、インフレ、金利上昇はある程度目を瞑る。このような副作用が出たら、なんとでも対策は打てる。
イエレンさんは流石、非常に明快で確信、自信に満ちています。
わたしなんかは、そんなに性急に財政拡大して前のめりに急がずとも、アメリカ経済は日本と違って競争力と活力に満ちているので自然に回復するし、そのほうが自由経済の市場メカニズムを生かせて,、かつ副作用も無くて良いと思う方ですが、生粋のケインジアンであるイエレン女史は、そうではないということが、今回はっきりしました。
それにしても、日本はとはえらい違い。日本は金融面では、FRBに全く劣らず、日銀は極限まで緩和していますが、肝心の財政の方は、財務省の抵抗が強く、日本の需給ギャップを解消するだけの財政出動は出来ていません。
これまで幾度か書いていますが、日本の民間部門は巨額の貯蓄超過、経常収支はずっと黒字、世界最大の債権大国なので、政府部門の赤字(=財政赤字)など気にせずに経済活性化と完全雇用が達成されるまでは消費税撤廃、所得税軽減などして何も問題無いのです。
しかし、財務省の抵抗でどうしても出来ない。池上さんなど有力マスコミもその片棒担ぎ。
日本の失われた30年は、失われた40年へと確実に進んでいます。
日本人はいつ気づくのでしょうか。
投資は自己責任です。