2017年後半あたりだったでしょうか。当時それなりに話題になり売れた荻原博子さんのご著書「投資なんかおやめなさい」。

あれから、もう３年以上経過しています。

荻原さんの忠言を守って投資は一切せずに、銀行預金や郵便貯金（今はゆうちょ銀行なのでこの言い方は正しくないのかな）をガチホしていた人の資産は、超低金利継続しているので、ほぼ全くと言ってよいほど増えていないはず。

一方で荻原理論を守らずに、つみたてNISAなどを利用して米国株、先進国株、世界株等のインデックス投資を継続してきた方は例外無く、大きな含み益を手にしています。

荻原氏の本を買ってその通り忠実に実行して、莫大な収益機会を逃した人は、結果として大損（機会損失）させられているわけで、アメリカならば訴訟になりかねないところ（日本では有り得ないですが、アメリカなら無理筋訴訟も全然有りです）。

それでも善良で素直な日本人は、荻原さんのお陰で１円も損せずに済んだ。ありがたやありがたや、目出度し目出度しで完結しているのでしょう。

たしかに、このように考える大半の日本人は金融リテラシーなど皆無で、金融機関（超一流銀行、生保、信託、証券等を含む）に騙されて怪しげな投資商品を売りつけられるケースが多いので、萩原さんの「名著」はそれなりに社会貢献をしているとも言えるかもしれません。

笑える悲劇か悲しい喜劇か。

日本人は経済や金融に対する稚拙さでどれだけ損をしているか。

これは個人の資産運用だけではなく、税金、社会保険といった分野で巧言を弄する官僚、政治家、マスコミに騙され、国民が大損しているという状況は今でも続いています。

若い人はテレビや旧来権威に依存せず、多くのソースから情報を得ているので、少しはマシかもしれませんが、基本がわかっていないと結局は賢い人に騙されます。

文系、理系、体育系、芸術系問わず、読み書きそろばんと同様に経済や金融に関する基礎知識を叩き込む教育をしていただきたいと思います。