【荻原博子】投資なんかおやめなさいから早や3年:続編
昨日のブログで書き足らなかったので続編。
昭和、平成の前半頃までなら、学校卒業して真面目に働きさえすれば、一般に言う中流の生活が出来て、結婚し子供もつくって、老後も退職金と年金で生活できました。
日本はその間、経済成長を続け、ドル円レートも固定相場制の1ドル360円から100円台まで円の価値は上がっていきました。
極く一部の外交官や海外駐在員を除けば、日本人の収入は日本企業などから円建てで支払われる給料のみ。引退後はこれも日本国の公的機関から支払われる年金のみ。
一部投資をしている人も日本株か日本の債券。土地ならば日本の土地からの収益。
この当時の日本人は、日本国と日本国が信用を支える円という通貨に完全に依存する人生だったと言えます。しかも大半の日本人は投資などせず、日本企業や役所からの賃金だけに依存した人生だったのです。
これって、今考えるとめちゃくちゃリスキーな事じゃないでしょうか。一蓮托生もいいとこ。
そのころは日本が衰退したらどうなるか、自分の企業が倒産したらどうなるか、働けなかったらどうなるか考えなかったのか?まあ、保険くらいは入ってましたけど。
みんな若くて、景気の良いイケイケの頃なので誰も不思議に思わなかった。そもそも外貨建てで庶民が投資する方法なんて一般的では無かったのですから。
荻原博子さんは令和の今もそうしろ、と言うのでしょうか?
日本はデフレだから下手な投資はしない方が良いと言いますが、消費税の上昇は消費者にとってインフレと同じ。これからも永遠に日本はインフレにならないと言い切れますか?恐らくこれから日本の国力が落ちれば徐々に円安傾向となり、エネルギー、食糧を輸入に依存する日本はインフレに悩まないとも限りません。
日本企業は競争力を失っており、昔と違って従業員をリストラする事など何とも思っていません。給与だけで生活を支えるリスクは非常に高いものになっています。
年金にしても今でさえ足りず、2000万円余分に必要なのです。これが改善するでしょうか。
荻原女史は、じゃあ70でも75でも元気で働けばいいじゃないということのようですが、私は真っ平御免被りたい。よほど好きな仕事ならともかく、人から使われてぼろ雑巾のような扱い受けてまで、そんな年まで働きたい人はそんなに居ないはずです。
みんな仕方なく働いている。
日本国だけに頼る。
日本円だけに頼る。
自分のお給料、それも日本企業や役所からの日本円で支払はれるものだけに頼る。
自分の労働による賃金だけに頼る。
これを一生続ける。
どれだけハイリスクか、沈みゆく日本と運命を共にするということと同義です。
しかも、ここまで日本に添い遂げても日本政府も日本企業も、その頃はあなたを助ける余裕も無いでしょう。
人によりリスク許容度は違いますし、人生観やライフスタイルも異なるので、これが正解というものは有りません。
それでも、資産の何割かは、日本円や日本国と関係のない資産、例えば外国株式、外国債券、ゴールド等に分散して投資しておくことが、人生のリスク管理上も重要と思います。
投資は自己責任で。