株価と為替のジレンマ
日本円で米国株を投資する場合はETFであれ投信であれ、何らかの形で円をドルに替えることになります。
つまり株の価格変動リスクに加え、為替リスクが発生します。
米国株価とドル円為替相場の間の関係性でいえば、今年に限ってなら米国株が下がれば、ドルが上がるという相関関係が成り立っているように見えます。
先週来の米国株安を打ち消すかのように、円建て換算の株価はそれほど下がっていません。恐らくこの関係はしばらく続くと予想されます。
米国株の変動を為替が緩和する作用があるので、相場下落時は好都合ではありますが、一方で米国株の上昇が円高で打ち消される傾向があるというデメリットもあります。
このような状況がずっと普通であったというわけでなく、リーマンショックの時などは米国株安と円高が同時発生しました。
日本人投資家は米国株安と円高のダブルパンチで大きく資産を減らしました。これは例えばリタイアして米国株を売却して生活している人には大打撃でした。
しかし勇敢な若い投資家は将来に向け、絶好の米国株投資機会でもありました。
このように米国株価とドル円レートに長期的には、明確な相関関係が存在しないようです。
1.米国株高 円安
2.米国株高 円高
3.米国株安 円安
4.米国株安 円高
米国株の円建資産額は1が最大、4が最小となりますが、相関関係が無い、相関係数がゼロに近いとなれば対処のしようがない、ということになります。
米国株で投資をするうえで為替のことにしょっちゅう悩まされます。あちらを立てればこちらが立たずのジレンマ。
仕方ないので受入れてやるしかないと腹をくくるしかないですね。
と言いながらも、私個人は将来の円安リスクを織り込んで米国株長期投資をしている面があるので、偉そうなことを言えた立場ではありません。
それでも米国株安、円高がセットで訪れるという、万一の悪夢のようなケースでも対処可能な収入とアセットを保持しようとは思います。
投資は自己責任です。