【超円安】実態はもっと悪い【実効為替レート】
今年に入っての円安は酷いものです。1ドル≒150円なんて殆ど記憶にありません。1990年代以来?生まれてはいるけれど。
おぼろげな記憶をたどると、1990年前後というのは日本経済が力をつけ、メードインジャパン製品を盛んに輸出し、貿易で稼ぎまくっていた。
このことがアメリカの逆鱗に触れ、プラザ合意のもと1ドル≒200円越えのレートから150円台になった時期です。
輸出企業は大変だ!アメリカに工場を建てて現地生産だ!
自動車メーカーが本格的に北米生産を開始したのがこの頃。
当時の日本にとって1ドル150円というのは経験のないような「円高」だったのです。
それならば、今なぜ1ドル150円が円安として問題になっているか、といえば時代が違うから。1990年代と2022年では各国の経済力も大きく異なっています。
単純に為替レートを比較するだけでは、本当の通貨の実力というのはわかりません。
そこで利口な人が考えたのが「実質実効為替レート」と呼ばれるもの。
大まかにいえば、この数字が大きいほどその通貨が強く、小さいほど弱いということ。
上の表にあるように、今年の7月でさえ円の実効為替レートは58.7。今ならもっと悪いでしょう。
この水準は統計が残る過去最低レベル。1970年代初頭と同じです。
この頃はまだ1ドル360円の固定レートの時代。
庶民にとって海外旅行など一生に1度あるか無いかの贅沢。お父さん垂涎のジョニ黒が1本1万円ほどの時代です。
日本がまだまだ貧しかった頃。バブル景気の10年以上前です。
今の日本はそのころと同じくらい貧乏になったのです。
そういわれるとそうかもしれません。アメリカでラーメン1杯3000円とか、外国人が安い日本で爆買いとか。
本当に日本は貧しくなったという現実が嫌でも突き付けられています。
我々の給料、年金、銀行預金も額面は減っていなくとも、実質的な価値は大きく毀損しているのです。
確かに今の円安は極端で、将来アメリカが利下げに転じれば緩和するとは思いますが、これからも日本経済に明るい話題は少なく、中長期的な日本円の脆弱性には留意すべきと思います。
私は米国株インデックス長期投資で円安にリスクヘッジしています。
投資は自己責任で。