増税は何のため
元来、国というものは民から税金を徴収して国防を充実させ、国内の治安を維持した。
原始的な税金の役割はここまで。時の権力者の恣意的な消費や投資を除けば。
時代が進むと経済的競争力をもたらすベース教育にも活用されたり、国家的プロジェクトに活用されたりで今日に至る。
時代は移れど税金は国力の安定と強化、国民生活の安定と向上に活用されるべきもの。
現代は経済の安定的、持続的成長の達成、公平な富の分配に税金を中心とした財政政策が特に重要になっている。
例えば、消費が加熱するとインフレが亢進する。日本のように輸入依存度が高い場合は輸入が増え経常収支が悪化し、通貨安になり放置すると更に通貨安が進み、それがインフレを一層悪化させる。
こういった悪循環になる前に、消費を沈静化させるため用いられるべきものが消費税。言い換えると、消費することに消費税というペナルティを課するということ。
今の日本はこれと真逆の状況の中、消費増税が続いているのは最悪で、景気は悪化しデフレが収まらないのは当たり前。
財務省が牛耳る霞ヶ関体制で無理なのは判っているが、せめて日銀が目標としているインフレ率2%になるまで消費税を引き下げ、消費喚起すれば良い。
インフレ率が2%を上回ったら、消費税を戻せば良いだけ。またインフレ率が下がったら消費税減税。これの繰り返し。
需要(消費と投資)が増えなければ、いくら異次元金融緩和してもインフレ目標が達成できず、デフレが続けば経済成長も無いというのはもう誰の目にも明らかなのに。
日本は経常収支が常に黒字、円は国際的にも最強。国債も全て円建て。円が1ドル120円になるくらい何ともないのは経験済み。
インフレ2%くらいまで消費減税したとしても財政破綻 にはならない。むしろ所得税、法人税など税収増になり税収増になるくらい。
これまで通りの経済運営では、日本は永遠に不況とデフレから脱出出来ず、世界から遅れる一方。
そのうち、国力、とりわけ企業の国際競争力が衰退して、経常収支は赤字になり、円が売り込まれる。
これこそが本当の危機だと思うんです。こうなるのは最短で20年後位だろうか?
リスクヘッジの意味でも、海外の優良資産にしっかり投資していくことが、いま円高のうちに重要と思う次第。