毎日積み立て生活

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(超)長期資産形成のためのリスクマネージメントについての私見

昔の銀行預金で数%の金利がある時代ならば、普通の人が普通の人生を全うするのに、敢えて株などのリスク資産に投資しなくとも、せっせと貯蓄に励めばそれだけで十分なお金が貯まりました。その頃は年金も多く貰え、大半の人は今のようにリアルな老後不安とは無縁でした。

少なくとも円ベースなら、資産が1円たりとも目減りする心配はありませんでした。


現代の我々は、このような古き善き時代のように、貯蓄をしても資産は全く増えないどころか、手数料で目減りさえしかねません。

給料は上がらないのに税金や社会保障負担額は増え続け、年金支給も先細る一方。

昔のように普通の人が真面目に働き貯蓄をしても、貧しさと将来不安から逃れることは出来なくなっています。


そこで、投資が唯一残された資産形成の手段になっていますが、これはどうしても元本保障とはならず、リスクがゼロにはならないので、つみたてNISA のような有り難い制度が有るにも関わらず、活用している人は未だ圧倒的マイノリティです。


バブル崩壊やリーマンショックにより、日本人の大半はリスク資産への投資に懐疑的。庶民的人気抜群の経済評論家、荻原博子さんは投資は止めろとまでいう。


●本当に貯蓄はリスクが無いのか?

貯蓄にリスクは無いとは言い切れません。額面上は減ることはなくても、消費税が上がり続ける昨今、デフレ下の実質的消費者物価は上昇しています。統計上には現れなくとも、ステルス値上げは横行しています。

また、円ベースで元本は減らなくとも、長期的に円安となれば実質的価値は減損します。海外旅行に行かないから関係ないとは言えません。日本は資源、食料の多くを海外に依存しています。円安になればその分、日本の消費者は損をしています。


●日本円だけ保有するリスクをヘッジするには


外貨預金が真っ先に考えられます。国際通貨として信用のある米ドル、ユーロ、スイスフラン等の外貨預金することです。ごく短期的には為替リスクで目減りする可能性ゼロではありませんが、少なくとも20年以上のスパンで観ると、日本の将来は十分過ぎるほど暗いので、金融資産の一定割合を外貨保有することには合理性があるはずです。



●外貨預金より良い方法


国際優良通貨の外貨預金も悪くはありませんが、世界的超低金利が長引く昨今、長期的に資産を増やすという目的に照らすと不利です。やはり金融資産の何割か成長性のある資産に投資した方が良いはずです。



●世界の経済成長に投資すると考える


少なくとも現代の経済的基礎が築かれた資本主義社会が成立して以降、世界経済は好不況の波に揉まれながらも、長期的には成長してきたのは紛れもない事実であり、これは人類が存続する限り変わらないと言えます。ならばこれに投資することが最も確実と言えます。一定の国や個別企業に投資集中する固有リスクから逃れることが出来ます。ちなみに世界経済リスクからは誰も逃れられません。地球を脱出するか原始的自給自足しない限りは。



●具体的に何に投資するか


世界の経済成長に投資するということは、世界の経済成長の主役である民間企業の株式に投資することとほぼイコールです。理論的には世界の国々の株式にバランス良く投資することですが、世界的企業が多いアメリカ株式や先進国株式に投資するという考え方もあるでしょう。日本以外の海外株式に投資することで、日本円や日本経済固有のリスクから逃れることが可能となります。


幸い日本では海外の株式にバランスよく低コストに投資できるインデックスファンドが、大変充実しており、誰でもネット経由で簡単に投資できます。つみたてNISAを活用すれば少額から積立て可能であり、長期にわたり誰でも無理なく投資できます。



●最後に


日本円で収入を得ることは容易に変えられませんが、資産運用は日本円以外で誰でも容易に可能な環境が整っています。日本円を銀行預金するだけというのは、実は見えない大きなリスクに晒されていることと同じ。将来どうなるかわからない日本という国の円を銀行に預けておくだけではなく、無理のない範囲で海外の資産に投資することが非常に大事です。短期的には為替や株の値動きの影響で含み損になる可能性はありますが、20年以上という超長期で考えれば、世界の経済成長という最も確実な担保がある世界の株式に投資することが、実は安全といえるのではないでしょうか。