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景気回復の代償

リーマンショック以降、世界経済は前例無い金融緩和、通貨供給量の増大により、辛うじて景気を維持·回復してきました。

その結果として、世界の企業をトータルすると、なんと19兆ドルにも及ぶ債務を抱えており、次に世界的な不況が起きた際の時限爆弾になるリスクがある、とIMFは指摘しています。

「もし10年前の半分ほどの深刻さの景気後退があったとしたら、8つの主要国(米国、中国、日本、ドイツ、英国、フランス、イタリア、スペイン)の企業債務のほぼ40%が返済不能になる」ということです。


今アメリカは連日の株高更新で、わずか数ヶ月前まで心配していたリセッションのことなど忘れてしまったかのようですが、

リーマンショックから回復する過程で、超低金利やCLO(Collateralized Loan Obligationの略。金融機関が事業会社などに対して貸し出している貸付債権(ローン)を証券化したもので、銀行が信用力が無い企業への貸出を複数合わせて債券の形態にして、機関投資家等へ販売)のお陰で、普通なら生き残れない、または融資が受けられないような不良企業が多く存続しており、中にはいわゆるゾンビ企業もあります。

少しの経済不調でそういった企業の債務返済に問題が生じ、例えばCLO の相場が暴落すれば、これはまさにサブプライムローンショックと全く同じ現象が発生するわけで、IMF はそのことも非常に懸念していると言われています。


世界でCLO の残高は100兆円近くあり、日本のメガバンク、ゆうちょ銀行、農林中央金庫はこのCLO を大量に購入しています。これを問題視している金融庁、日銀はこれまでもたびたび調査を実施しています。

いまのところは健全なようですが、かつてのサブプライムローン債権のような、信用力の低い企業への融資を集めて債権にしたCLO を、日本の大手金融機関は大量に購入し資産運用していることは事実として認識しておくべきでしょう。


昨今の株高にもかかわらず、投資の神様ウォーレンバフェットは、過去最高の現金を保有して新規株式投資には極めて慎重。

ひょっとしたら、彼は遠くない未来に危機の香りを既に嗅ぎ付けているのかもしれません。