【安心第一】ヘリコプターマネーからヘリコプタークレジットへ
FRBも日銀も中央銀行である以上、一般の商業銀行業務を普通は行うことはありません。中央銀行は「銀行の銀行」だからです。
日本の場合、金融機関は日銀に口座を持っており、例えば日銀が市中銀行から国債購入するとその銀行の日銀当座預金口座に購入代金が振り込まれます。
市中銀行はそれを基に、一般事業会社に融資するわけですが、資金需要が弱い、融資に値する企業・個人が限られている、などの理由で融資進まないと、いわゆる「ブタ積み」状態となり、日銀金融緩和の景気拡張効果が発揮できないわけです。
ここまでが「ヘリコプターマネー」。不況時に中央銀行が国債(日銀の場合はETF等もありますが)を買って、金融市場にお金をばら撒くことです。
今回、アメリカが実施するのは、ヘリコプターマネーだけには終わりません。
上記の絵(自作です)左側、融資の部分とおり、FRBと米国政府が共同でSPV(Special Purpose Vehicle) 特別目的法人を組成し、米国政府が出資するというもの。
ちなみに絵の右側、投融資の部分は連邦政府が直接、中小企業、航空会社、ボーイングを救済するスキームで、FRBは直接関与しません。
そのSPVはFRBが運営し、一般企業への融資、社債の購入をするというのですが、驚くべきはその融資規模。
ナント4兆ドル(約 440兆円)にもおよぶのです。日本のGDPは600兆円弱ですから、その凄さがわかりますね。
アメリカのGDPは約20兆ドルなので、これと比較しても巨額。
FRBが一般企業に対して直接ファイナンスする。言い換えればクレジット供与することになるので、これはまさに「ヘリコプタークレジット」
と言うべきもの。小さい政府、自由主義を標榜する共和党政権下でよくこれが通ったものと感慨深いものがあります。
逆に言えばそれだけアメリカ経済が危機的だということ。リーマンの二の舞だけは繰り返さないという強い国家的決意が示されたと言えます。
コロナ感染がいつ終わるかにもよりますが、これまでのFRBゼロ金利政策とヘリコプターマネーに加え、これで当面はアメリカにおいてリーマンショックのような、金融市場の機能不全による恐慌は回避できたと考えます。
それに比べて極東の没落途上島国の政府は何をやっているのか?10日後を目途にに具体策発表とか。遅い、遅すぎる!
「和牛券」や「お魚券」ばら撒きという、とうていどこの国の政府も想像すら出来ないような、独創的アイデアもお持ちのようです。
頼むから、海外のマスコミにこんな恥ずかしいニュースは流さないでくれ!日本国民の恥だ。