毎日積み立て生活

eMAXIS Slim 米国株式 S&P500の毎日積み立て始めました。since July 2019

金利と株価

今週はFOMCがあったりで、なかなか波乱含みの1週間でした。


終わってみれば米国株、欧州株ともに全面安。といっても少しだけ、調整程度と個人的には思います。


それでも市場は今回のFOMCがタカ派傾向を強めた、利上げが大幅に近づいたということになってしまっています。


あれほどパウエル議長が(outcomes not outlooks)見通しではなく結果をもって判断すると言っているのに。


これは決して言い訳でもリップサービスでも無いと思います。僅か3か月前のFOMCともoutlookは大きく変わっているのですから。


次回のFOMCでoutlookに変化が無いと誰も言えません。利上げがもっと近づくかもしれないし、逆かもしれない。


過度に反応することは無用、ということです。


パウエル議長は市場との対話に腐心しておられますし、トランプさんみたいな人も政権内にはいないので、これから粛々とアフターコロナの金融政策正常化を進めていかれるでしょう。




金利


テーパリング、FFレート上昇(短期金利上昇)で株価がどう影響されるかは難しいところがあって、仮に短期金利が上がってもそれに伴って長期金利(代表的指標は米国10年債利回り)金利が上がるとは限らないからです。イールドカーブが寝てしまったり、逆イールドになってしまったりすることはしばしば。


昨日も比較的短期の2年物は大きく売られ、10年物は買われるという現象が起きました。


世界中で債券市場の超低金利は継続しているので、米国長期国債の利回りの魅力に資金が流入したのでしょう。


この傾向が続けば、意外にこれからも長期金利は思ったほどには上がらない、という可能性も考えられます。




株価


株価の水準を表すのによくPER(株価収益率)が用いられます


PER =  株価 ÷ EPS(1株当たり純利益)


PERの逆数(1/PER)は株式益利回りとなります。非常に荒っぽい言い方をすれば、株式につく潜在的金利のようなもの。


たとえばS&P500の予想PERが20ならば
1 ÷ 20 = 0.05 (5%)


PER30ならば
1 ÷ 30 ≒ 0.033(3.3%)




金利と株価


米国債は世界で最も信用のある債券で流通量は世界最大。世界中の国々、投資家が保有しています。当然低リスク低リターンですから利回りは低位安定。


これに比べるとどんな優良株式であっても、リスクは高くなります。天下のS&P500とてそれは同じ。


なので、投資家は米国債(仮に代表的な10年国債)より、S&P500の利回りが高くなければS&P500に投資はしません。


ならば、どれくらい利回りが必要となるか、その差がイールドスプレッドです。イールドスプレッドは比較的安定的(定数のようなもの)少なくとも長期的には妥当なレベルに収斂すると仮定されます。


たとえばイールドスプレッドが2%、10年米国長期国債が1.5%ならば


S&P500の妥当な株式益利回りの水準は3.5%、PERは約29となります。




結論:これからの米国株価


米国長期債の利回り、すなわち長期金利がS&P500に影響を及ぼすことは避けられません。どこまで上がるか?は誰も予想ができません。市場に委ねられています。


ただし、コロナショック直後のような0.6%とかの水準は有り得ません。現在は1.5%前後。
その前の数年は概ね2~3%の間に留まっています。


未来は予想できませんが、これらのことから、やはり米国長期金利はこれから緩やかに上昇すると想定しておくことは無駄ではありません。


このことは、現在、比較的高PERのS&P500には逆風と言えます。企業の資金調達コストは上がるし、相対的に債券への投資旨味が増す可能性もあります。(絶対というわけではありません債券の利回り上昇はイコール価格下落なので)


だからといってS&P500指数自体が下降線を辿るということとは限りません。S&P500のEPSが上がっていけばS&P500は持ち堪えられる可能性は十分あるからです。



これからの米国株S&P500はS&P500企業の実力、稼ぐ力(≒EPS)次第ということになると思います。



投資は自己責任です。