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【危険】所得階層の罠

最近よく出てくる、例の野村総研が出している所得階層のピラミッド。


そう、純金融資産1億円以上が富裕層というあれです。


これが日本人の頭や心に刻み込まれるのは、本当に危険と思っています。


富裕層から税金をむしり取れ!


富裕層は株や土地で儲けている!不公平だ。キャピタルゲイン税上げろ!


それでも足りんから、含み益資産にも課税しろ!


高齢の富裕層には医療費、介護費もっと負担させろ!



富裕層以上というのは世帯の数%で、大半は文字通りマス層なのですから、そういう声も上がるでしょう。コロナ不況の今ならなおさら。


ミリオネアとか億万長者って言い始められたのは昭和のころ。


1億円持っていて、令和の世の中そんなにお金持ちでしょうか?


たとえば、40代、50代で1億あったとして、お子さんがどうしても医学部に行きたいと言ったらどうでしょう。国立ならともかく、私立なら6年間の学費だけで2千万~5千万円必要です。


その他、教材費諸々も必要。そもそも医学部に入るまでの塾代、予備校代を考えればどうでしょう。


下手をすれば、あっという間に富裕層からマス層になってしまいます。


その程度で「富裕層」などという大層なカテゴリーが果たして適当でしょうか。





子供が医学部に行こうが、びくともしないほど収入と資産がある。年収数千万、資産数億円。


そこまでいけば正真正銘「富裕層」。多分誰も否定できません。


頑張って富裕層になられた方をディする気持ちはさらさらありません。


しかし、今の世の中、ちょっとした家を買っても数千万円、車も数百万円、医学部に行かずとも教育費は高い。


1億円の価値は昭和の頃とは随分違うことは否定できない事実です。




たとえば
「富裕層」は上位1%、100世帯に1世帯。
10%以上はアッパー
10~30%はアッパーミドル
30~60%はミドル


というように、金融資産の絶対額ではなく、比率で表す方が普遍性があると思います。もちろん目安として、それぞれの資産額は出てくるでしょうが、それは時代により移ろうもの。


今のままだと、昨今のように株価が上がっていれば、これから1億円以上の「富裕層」が大幅増になってしまい、キャピタルゲイン増税の世論が盛り上がってしまいかねません。


そうすれば、せっかく社会に認知されはじめた長期投資に冷や水を浴びせ、結局のところ景気が悪化して、益々日本は衰退します。




以前にも書きましたが、本当に野村総研さん、例のピラミッド見直しお願いします。