【欧州株】EUから反撃の狼煙
ハイテクの覇権を握り、GAFAなど国際スタンダードプラットフォームを独占する米国。
それに猛然と追いつこうとする中国。
2大超大国、覇権国家の狭間で、目立たない存在だった欧州、EUから待ちに待った反撃が。
欧州復興基金が大規模な債券発行に踏み切ったのです。
2021年末までに800億ユーロ、2026年末までに8000億ユーロが発行される予定。名称は「NGEU:Next Generation EU」。
この大規模予算は未来の成長分野であるIT、環境(EV等)に集中的に投じられるのです。
EUはユーロという通貨統合は達成していますが、財政や経済政策は個々の国々の独立性が保持され続けていて、欧州復興基金が大規模に債券市場から資金調達し、戦略的成長分野に思い切った投資を行うということはこれまで殆どなされていません(コロナ緊急対応はありました)。
アメリカや中国が、ハイテク、環境など次世代成長分野に国を挙げて取り組むなか、ユーロ経済圏の立ち遅れが目立っていました。
今回の決定で狼煙が上がったといえるでしょう。
欧州株投資家には嬉しいニュースです。
ただこれでヨーロッパの経済停滞が一気に解決、週明けから株爆上げというものではありません。
しかしスタートラインに立ったことだけは確か。多くの歴史ある国々で構成されるユーロ経済圏のポテンシャルは非常に高いものがあります。ドイツを中心にEUの財政規律は厳格。諸刃の剣ではありますが、このことがEU全体の経常収支を黒字に保ち、ユーロを強くしています。
そこに未来志向の成長要素が加味されれば、EU株を含む株式インデックスの長期投資家にとってはなかなか将来楽しみではないでしょうか。
投資は自己責任で。