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景気は波のように

昭和世代だけかもしれないが、景気は波のように循環すると社会科で教えられた。


その波にも短く小さいのから、大きく長期に亘るものまでいくつかあって、



代表的なものは:


キチンの波---在庫投資による短期的循環

ジュグラーの波---設備投資による中期的循環

コンドラチェフの波---技術革新による長期的循環


の三種類があり、景気変動はこれらの波の変動により、かなり説明可能というものであった。


これらの理論は、いずれも第二次大戦の遥か以前に、当時著名な経済学者が提唱したもの。


当時は産業革命の後、先進国において製造業に代表される第二次産業が農業に替わり経済の主役となった時代でもあり、在庫の調整や設備投資、技術革新というのは景気を大きく左右する要因であったため、このような理論は実際の現象としても見られ、妥当であると広く受け入れられたと考えられる。


そして21世紀の現在、世の中は激変し、製造業の経済に占める割合は、先進国において低くなり、アメリカにおいては僅かに10%程しかない。GDP の七割ほどを占めるサービス業には在庫もなく、物を造る設備投資は無く、IT 分野の技術革新は日々絶えない。


にもかかわらず、何故か我々は景気は波のように巡るという感覚を棄てきれない。アメリカの好景気はもう優に10年以上続いているのだから、下降局面が迫っていると思い込んでしまう。


そういったマインドセットから少し離れて、経済の動きを素直に俯瞰することも大切だなと思った次第。


昨日の8月雇用統計は、可もなし不可もなし。再来週の小幅利下げの、辛うじてアリバイになったかというところかな。


少し気になったのは、雇用統計とは別のブルームバーグの記事ながら、今年に入って、アメリカの臨時雇用と週当たり労働時間が下降線だということ。


どこも商売が厳しくなると真っ先に削るのは時間外とバイト君。アメリカの景況もそれほどイケイケというわけではないという何よりのエビデンスと思う。


景気はともかく株価のさざ波はトランプツイッターが起こしている時代。誰か景気の波に替わる、景気予測理論を考えてくれないものか。