【米国株】思ったほど下がらない株価と思ったほど上がらない長期金利【米国債】
先週発表されたアメリカCPIのショッキングな数字で大幅に下げた米国株は、週末にかけて持ち直しました。
相変わらず決算が良好なのもあるでしょう。
けれどなにより長期金利がインフレ懸念が強いわりに上がって来ないことが、特にNASDAQやRussel2000など下支えしていると思います。
直近の米国10年債利回りは1.582%。
CPI発表以降に上がりはしましたが、約1か月前の最高値である1.676%をなお下回り、今年の最高値の3/12の1.73%より遥か下。
今の方が確実にインフレ懸念は悪化しているはずにもかかわらずです。
米国債も価格は需給で決まるので、諸々のネガティブ要因にもかかわらず、他の投資対象との相対的比較において、米国債は魅力があり買われているということでしょう。
注意しなければならないのは、市場価格が常に完璧な市場メカニズムによって、正しく決定されるというわけでもありません。
長期的には市場メカニズムが正しい価格形成するにせよ、短期的には間違ったり、うまく機能しなかったりするというもの。
例えば投機的な投資家の行動や、そもそも完全に合理的とは言えない人(法人)の投資行動に左右されるからです。
なので今の債券価格(金利)が正しくて、しばらく続くという保証はないのです。
このまま何事も無く過ぎて、またしばらく米国株価が上昇に向かう可能性もあります。
アノマリーからも11、12月は株高だそうです。
けれど、誰もが心の片隅で恐れているように、インフレが予想以上に亢進し上昇基調が続くならば、
たとえば来月、年始のPPIやCPIが市場予想を上回る高インフレであったなら。
一気に米国債が売り浴びせられ、長期金利は急上昇。
逆に金やプラチナが急騰。
ハイテクグロース株、中小型株を中心に株価暴落という流れも十分有り得ます。
巷のジングルベルと株高に浮かれ過ぎず、心静かに年末相場を見守りたいものです。
投資は自己責任で。