毎日積み立て生活

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落しどころ

ビジネスにおいての交渉というのは、どちらかが独り勝ちというのはありません。


双方が自己の利益を主張するばかりでは、お互い何も利益を得られずに関係だけが悪化し、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうからです。


どこかで妥協、落とし所を見極めねばなりません。




外交交渉も全く同じですね。プーチンのやった残虐な国際法違反行為は許されません。だからといって単に徹底抗戦するだけでは結果は見えています。第二次大戦末期の日本以上の悲惨な結末になるでしょう。


ウクライナのゼレンスキー政権はロシアを敵視し、EUとNATO加盟に前のめりできた結果、虎の尾を踏んでしまった。プーチンに侵略の口実を与えた面が全く無かったとは言えません。


恐らくゼレンスキーはロシアの怖さを知り、ロシアと融和しても国の発展は無いと考えたのでしょう。


それは間違っていないです。しかし地政学的、歴史的にみて兄弟、殆ど血が繋がっているともいえるロシアと絶交し、西側に完全に性急に移行するというのは、やはり無理があったのでは。


もう少し上手いやり方があったのではないかと思います。




そこで参考になるのは、米ソ冷戦時代のフィンランド。フィンランディゼーションというタームを世界史や政治・経済で習った方も多いと思います。


一言でいえば、政治的、軍事的にはソ連と融和的に関係を保ちつつ、自由と民主主義は最大限実現し、西側に近い豊かさを達成する中立政策です。


フィンランドはスウェーデンとソ連に挟まれ、両国から侵略を受け支配され続けた悲惨な経験から、このような苦肉の妥協策を編み出し、自国の存続を図りました。


ソ連崩壊後はEUに加盟するも最近までNATOの加盟に否定的でした。このところやっと国民世論がNATO加盟に傾き始めたという程度です。


フィンランド人は物静かで大人しいですが、芯が強く賢明で我慢強い国民です。


実は大昔、短期間ながらフィンランドに住んでいたことがあるので、よくわかります。


時間を味方につけて、チャンスが来るまで臥薪嘗胆したのですね。


隣国とはいえ民族的にフィンランド人とロシア人は異なります。言葉も然り。


それでもソ連(ロシア)に対してはこれだけ慎重に立ち回ったのです。


ましてやウクライナはより一層、用心して事を進めないと、本当に国が消滅してしまうのではと危惧します。





投資も長期的に冷静に我慢強く取り組むことが大事なのは同じですね。