欠点が多く一般人には使い勝手の悪いNISA
先日、つみたてNISA の概要、改善要望などアップさせていただきました。下にリンクを貼っておりますので、よろしければご覧ください。
本日は、NISA について触れます。つみたてNISA より四年ほど先立ち2014 年からスタート。今のところ2023年までの期間限定。
つみたてNISA は金融庁お墨付きの投資信託のみが対象という制限がありますが、NISA にはそれがなく、個別株、ETF 、投資信託何でも可です。
そのかわり、購入限度額120万円/年で繰り越し不可。期間は5年間で、特定口座との損益額合算も出来ません(つみたてNISA も同様)。
一見良くみえるNISA ですが、私のような一般人、株式素人には使い難く、実際に私もつみたての方を選択して使っていません。
気になる欠陥は以下のとおりです。
1.期間が5年限定で短すぎる
株式投資の初心者が、5年という決まった年限で、利益を出すなど至難の業です。これが出来たら上級者です。いや、プロでも相場環境によっては難しいでしょう。グロース株でキャピタルゲインを狙って上手く儲かる可能性は如何程か、インカムゲイン株で配当はあっても、売却時に値下がりして元の木阿弥になるかもしれない。素人に短期決戦を強いることに違和感しか感じません。
2.特定口座と損益合算不可
NISA 口座で損失が出たとしても、特定口座の利益と相殺して節税できるのなら、まだ救いがありますが、出来ません。そのことはつまり、同じ株を買って損切りするなら、特定口座の方が有利ということ。NISA で損失はご法度。普通以上にペナルティがあるのです。ふざけるな❗と言いたい。
それなら、つみたてNISA も同じという反論も有るでしょうが、つみたては20年という超長期(制度改正前提)、金融庁承認の投資信託のみ対象です。投資信託の選び方が適正で長期運用すれば、損失を被るリスクは極めて低いです。
3.年間投資額の上限は120万円まで。繰り越し不可
長期運用ならともかく、5年間限定で年毎に120万円までしか投資出来ないというのは、投資家を馬鹿にするにも程がある。相場状態によって多く投資したい年もあれば、見送りたい年もある。繰り越し出来なければ、投資家は手足を縛られているようなものです。
いかがでしょう。こんなNISA でも節税可能ということで、多くの人々が口座開設していますが、どれだけの人に恩恵があるのか、一般投資家の為になるのか、疑問です。
そこで2023年の期限にあわせて、現行NISA を廃止し、代わりに:
1. つみたてNISA 拡充し、30年間つみたて可能、年間つみたて50 万円上限とする。
2. 金利、配当、譲渡益等は全て、年間30万円まで非課税とする。もちろん、つみたてNISAやイデコ の非課税枠とは別。
というふうに制度改正していただきたいです。年間30万円非課税というのは、例えば平均的な株式配当を3%として、1000万円株を持っていれば、30万円は非課税で収入になるということで、老後の年金不足分のせめて半分強は確保できるから。多いに越したことはありませんが、あまり非課税枠を増やすと、富裕層優遇という批判が出ます。庶民はつみたてNISA やイデコで2000万円貯めて、そのうち1000万円を高配当、安定配当の望める商品にすれば老後の安心感は増すでしょう。
投資へスムーズに国民の金融資産を移行させ、国民の所得を拡大し、老後不安を軽減させるため、政府には真に大半の一般国民のためになる政策を考えて頂きたいと思います。