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【新NISA】シャープレシオについて思うこと

金融商品の評価をするのに用いられる指標で有名なのが、シャープレシオ。


シャープというのは人名で、ノーベル賞を受賞したウイリアム シャープさんという方が1966年に提唱されたもの。


式は小中学生の算数レベル


Sharpe ratio = (Rp-Rf)/σp


こうやって数学の公式にすると難しく見えますが、原理はシンプル。


上の公式の:


Rpはポートフォリオのリターン、例えばS&P500、NASDAQ100の収益率のこと。


Rfはリスクフリーレート、短期国債とか無担保コールとか、日本の場合は、長きに渡ってほぼゼロなので無視出来るもの。


σpはポートフォリオの標準偏差、リターンのばらつき具合です。




在るA投資信託のリターンがめちゃ高くても、そのばらつき、値動きもめっちゃ大きければ、標準偏差も大きいので、シャープレシオはそれほどでは無い。


別のB投資信託が全く同じめちゃ高いリターンで、しかも値動きはめっちゃ小さい、標準偏差が小さければ、シャープレシオはA投資信託より大きくなる。


シャープレシオの値は大きい方がエライので、B投資信託が明らかにA投資信託より優れている。


なんかシャープレシオは万能でシャープレシオの高い金融商品を買ってガチホすればいいだけかと思いがちですね。


でも、それは短絡的で注意が必要です。





上記の例では、同じリターンの投資信託を比較したので優劣がはっきりしました。


しかしリターンが異なる投資信託ならどうでしょう。


例えば、過去5年程のS&P500とNASDAQ100のシャープレシオを比較すると、ほぼ値は近くNASDAQ100の方がやや大きいくらいなのです。


この結果だけを見て、全財産NASDAQ100に投資だ!となるでしょうか。




先ず一つ目の注意点は対象期間。最近はNASDAQ100が非常に好調なので、客観的に評価するには、ITバブル崩壊等々、長期のデータでシャープレシオを計算するべきということ。


切り取る期間次第でシャープレシオは大きく異なりますから要注意。


もう一つの落とし穴は、シニアで残りの投資期間が短いなど、仮に短期間であっても資産の大幅な下落を許容出来ない場合は、シャープレシオの優劣のみで判断するのは危険ということです。運悪く老後資産の取り崩し時期に株価暴落が重なると、リカバーが難しくなってしまいます。




シャープレシオは非常に有用な指標である反面、これだけ盲信し過ぎると、不利益もあるということです。


場合によっては目先のリターンを犠牲にしても、安全第一に守りを重視した資産の運用も有りでしょう。


世間では、新NISAの投資においてオルカンと米国株S&P500インデックスに二極集中しているようですが、これらが全ての人の最適解とは思えません。


個々人が精神的、経済的、時間的なリスク許容レベルを正視して、何があっても狼狽売りすること無く、長期投資が可能なように新NISAを活用出来ればと思います。



投資は自己責任です