曖昧で脆い米中第一次合意。争いの火種は消えず
合意の詳細は一部不明点を残しながらも、米中双方から公式に米中第一次合意が承認され、とにもかくにも15 日に迫る追加関税だけは回避出来ることが確実となりました。
でも、それだけ。
言い過ぎかもしれないですが、合意の概要に対し、米国株式市場は失望から買いは広がりませんでした。
(理由その1)
対中関税の大幅削減は無し
「米国は1600億ドル相当の対中15%関税発動を見送り、1200億ドル相当の製品に対する関税を従来の15%から7.5%に引き下げるのみ。
2500億ドル相当の製品について25%の関税は維持。」
(理由その2)
アメリカ農産物輸入拡大の数値目標額は示したものの、中国政府はコミットせず。
「中国は2017年の購入実績額である240億ドルを基準とし、向こう2年間で米国産の農産物を320億ドル追加購入する方向で合意。さらに製造業製品やエネルギー、サービスの購入も増やす。
農業省や中国国家発展改革委員会(NDRC、発改委)の幹部らは中国が米国産の小麦、米、コーンの購入や米国からのエネルギー・医薬品などの輸入を拡大すると明言。しかし規模や金額などは明らかにせず。」
テレビでも放映されていましたが、中国政府として購入を確約まではしていません。農産物の長期に渡る購入量、金額、種類を、政府が事前に決定するのは不可能と明言しています。
つまり目安か努力目標に過ぎないということ。
トランプ大統領もここは妥協せざるを得なかったのでしょうが、中国の出方次第ではまた揉めるでしょう。
それ故に、関税引き下げが最小限に留まったとも言えます。
交渉決裂による大規模対中追加関税だけは避ける、という米中の最低限の共通目標はひとまず年内達成。
めでたしめでたし。
それ以上でも以下でもない。という落ちでした。