毎日積み立て生活

eMAXIS Slim 米国株式 S&P500の毎日積み立て始めました。since July 2019

中国では翻訳に長時間要するそうだ

ロイターの報道によると、 トランプ米大統領は24日休暇先のフロリダで、記者団に対し「習近平国家主席と第1段階の米中通商合意に署名する調印式を行う」と発言したそうです。


加えて「われわれは署名を望んでいるため、より迅速に署名を行うだろう。合意は完了している。目下翻訳中だ」とも述べたということ。


えーっと。一応、米中合意したよ。というアナウンスメントはいつ頃でしたっけ?確か、12月の中頃。もう10日以上経過しています。

中国の指導部は大事な米中合意文書を自国語で読むのに、そんなに時間がかかるのですか?

もちろん、そんな馬鹿なことは有りません。交渉中も常にリアルタイムで、大勢の優秀な翻訳スタッフと最新の翻訳ソフトの総力戦で、迅速に交渉過程の文書、議事録を翻訳し、幹部に報告しているのです。そうでなければ、国益をかけた国際交渉に的確に対処出来るはずもありません。


GDP世界第二位、天下の中国ですよ!!



中国側も翻訳中ですとか言っていますが、それは単なる時間稼ぎの言い訳。実際は合意文書内容を詳細に分析し、今後どのように対処するか戦略を練っているのだと思います。

一応、中国も口頭では合意と言っているので、今になってそれをちゃぶ台返しすることは無いでしょう。


ただし「中国語に翻訳すると、この表現は拙い」とかクレームをつけて、正式な合意文書に細かい修正を要求するかもしれませんし、合意文書の曖昧な点や穴を見つけて、今後、中国が有利になるような、展開をシミュレーションしているかもしれません。

そもそも、未だにアメリカ側が発表する合意内容と中国側のそれとは大きく違っています。アメリカ側は具体的な米国産品の輸入額を言っていますが、中国政府はそれに全くコミットしていません。


にも関わらず、米中の合意文書が曲がりなりにも存在しているということは、その合意文書自体が相当曖昧な表現で、いかような解釈も成り立つ表現で書かれているということです。




ちなみに企業間の国際契約では、可能な限り曖昧さを排し、係争が起こった際に、合理的に処理されるよう、契約文書を徹底的に詰めてから合意、最終的に当事者がサインします。

一方、国と国の外交上の文書の場合、政治的合意を優先して、問題になりそうな細部はあえて、曖昧にしておくということは、十分有りうることです。


今、日本が韓国と揉めている遠因の一部もそうかもしれません。日本に全く非は無いとしても。




ライトハイザー通商代表は、1月早々の調印に自信を見せているようです。


仮にそれが実現したとしても、トランプ大統領の思い通りに、中国が米国産品を粛々と輸入してくれる保証は無い可能性が高いです。


なぜなら、合意文書にいつまでに、何を、いくらで、どれだけ輸入するというような、細かい内容が明記されているとはとても考えられないからです。

また、中国は約束を守っていない(激おこ)!とブチ切れて、トランプさんの追加関税の脅しがいつ始まらないとも限りません。