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住宅バブル退治の先は?

日本のバブル期からもう30年も経ったとは。あの頃現役で経済を支えた人の多くが第一線を退いている。社会人としてバブルを経験した人はもう50台後半以降なのだから。


それゆえか、一般のバブルに対する論調は「あの頃は良かった」的なものばかり。そりゃあ今よりはずっと良いのは事実だが。


私のように当時東京で一安サラリーマンをやっていた立ち位置から見ると、バブルの思い出は甘酸っぱい。




バブル全盛の頃、給料や日本の株価は上がったが、それを遥かに上回って上昇したのは不動産価格。


山手線内を売ればアメリカが買えた時代。


当時、よく東京都庁にお勤めの方が嘆いていたのは、東京都職員なのに都内にマイホームが買えないということ。都の幹部職員は都内に住居を構えることが基本。年収の20倍近くもする家など、実家が資産家か土地持ちでもない限り夢物語でしかない時代だった。


東京都庁勤めでない普通のサラリーマンは都内など最初から諦め、小田原、前橋、奥多摩、房総などなど、何とかローンを組めそうなところを探すか、一生社宅か借り上げ(社宅)と居直るしかなかった。


それでも福利厚生の良い大企業社員はまだ恵まれているほうで、中小企業社員は劣悪な賃貸住宅に高い家賃を払い、今と比べても決して生活は楽とは言えなかったはず。


にもかかわらず「24時間戦って」いたのだ。




やがてバブル崩壊。90年代末以降は私のような普通のサラリーマンでも、マイホームは年収の数倍で手に入るようになった。併せて超低金利と住宅ローン減税も後押しした。確かにバブル崩壊で苦境になった人も多かったが、それなりにメリットを享受した人も少なくない。表に出ないだけで。


とはいえ、日本全体のマクロ経済で言えば金融不安とデフレで成長鈍化したことは事実なので、トータルでみればネガティブなことには変わりない。成れの果てが今の衰退。




歴史は繰り返すのか、今の中国は30年前の不動産バブル崩壊前夜の日本と同じだそうだ。上海などの大都市ではマンションが年収の30倍を遥かに超えている。


それがいま習近平さんのバブル退治政策「三つのレッドライン」と呼ばれる不動産企業の資金調達条件の厳格化によって、不動産価格は暴落に向かっている。


投機的需要を当て込んで不動産開発の資金を調達していた不動産会社は、補給線どころか生命線(借入金)を絶たれ、エバーグランデのように明日の命も知れない。


当然、不動産企業への融資は焦げ付き、金融機関も打撃それが行き着くところは金融不安と金融収縮。そうなれば経済全体がデフレスパイラルの奈落に堕ちる。



日本のバブル崩壊当時と気味悪いほど状況が似ている。しかもスケールは何倍、何十倍。


ちなみに中国の指導部は日本の失敗から多くを学び、日本の轍を踏まないらしい。それが本当なら、どんな魔法の処方箋があるというのか知りたいものだ。


共同富裕で多くの中国庶民が救われ、マイホームの夢を実現するなら、それはそれでよいだろう。


しかし、日本の様に国全体の経済が死んでしまったら、ゆくゆくはその影響が中国国民全体に降りかかる。




中国は少子高齢化でも日本の後追いをしているという。


前途多難。