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就職氷河期世代の雇用

兵庫県宝塚市が就職氷河期世代の非正規雇用者対象に募集した3名の職員募集に1600人余りの応募があったことは、全国ニュースになりました。


元宝塚市民の私は相当前から募集のことは知っており、人口僅か20万人ほどの地味な地方都市に応募する人は、人手不足の昨今いったい何人いるのかなと漠然と思っていました。


宝塚市は歌劇団で知名度はそれなりながら、特別賑やかな商業地域も無く、とりたてて大工場もありません。静かな住宅街以外、大半は農村と山です。市役所の仕事もベンチャーや外資系のように若者のチャレンジを掻き立てるエキサイティングなものとはほど遠いでしょう。給与も安定はしているでしょうが、高いわけでもない。


そういった市の職員募集に千何百といった応募があるという事実は、いわゆる就職氷河期世代の多くが、今なお仕事に恵まれていないことを世間に知らせました。


氷河期世代も30後半から40半ば。新たな仕事に着くのは、本人も大変ですが、雇う方も難しいところです。とりわけ正規職員に採用するとなると。


営利企業経営側の視点からすると、多くの企業で同じと思いますが、30半ば以上の職員は足りています。むしろポストが限定され、処遇に難儀します。この年代を採用するのなら、余程突出した能力と実績がある人だけで、普通はそのような人は極めて稀です。人手不足といっても、足りないのは現場レベルの若手なのです。


宝塚市の心意気は立派ですが、このようなムーブメントは限定され、これだけで就職氷河期世代を救うことは難しいでしょう。民間企業にとっては一層ハードルが高いです。


つまり、自由に市場原理だけに委ねているだけでは、就職氷河期世代は救われず、後々社会保証費用の負担増になり、日本経済の足を引っ張るのです。


一方で介護分野は圧倒的に人手が足りていません。介護は若手も貴重ですが、主力は人生経験のある大人。安心して介護してもらうのは、若いだけでは不安で心もとない。


ちょうど就職氷河期世代がマッチしているのではと思います。ただ介護には知識も技能も必要で直ぐにとはいきません。一定の教育期間と現場経験が必要です。それにはお金がかかります。


さらに就職氷河期世代が安心して、一生の仕事として介護関連に従事するには、納得性のある処遇と雇用の安定も必須です。


今後高齢者の増加で危機的状況になる介護分野に、豊富な人材のプールである就職氷河期世代を効果的に投入すれば、介護を必要とする老人とその家族、就職氷河期世代の全てがハッピーエンドです。


ぜひ政府は思い切った予算を投じて、就職氷河期世代に介護教育を無償提供し、また介護人材の待遇を改善していただきたいです。


財源が無いという言い訳はナシです。日本は世界一の債権国。インフレは無く、円は世界最強通貨です。増税などせずに、国債を発行して資金は調達できます。