毎日積み立て生活

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ルーブルより弱い円

ウクライナへの侵略戦争が泥沼化し、戦費が嵩むロシア。


さらに西側主要国からの厳しい経済制裁を受け、経済は瀕死状態とも伝えられるロシア。


ならばロシア通貨のルーブルはさぞかし暴落しているかと思えば、随分と値を戻しているのだとか。




俄かには信じられなくて理由を探っていると、経済評論家の高橋洋一さんの解説を見つけました。


ルーブル高の理由は明快で、ロシアの中央銀行が大幅利上げをしているからだということ。


ただし利上げは経済を疲弊させるので、サステイナブルではないとも指摘しておられました。




一理あります。利上げはインフレを抑える効果もあります。しかし景気悪化、失業の増大という副作用が伴います。


それでも利上げ出来るだけ、ある意味大したものだと思います。


それはロシア経済の持つ底力ゆえ。


ロシアは天然資源が豊富で食糧自給率も高く、贅沢言わなければ鎖国状態でも生きていけます。金も産出しています。保有量も日本の2倍以上の2,000トン強。


庶民はソ連時代から家庭菜園で野菜を収穫し、保存して冬に備えるそうです。何百年も厳寒や飢餓に打ち勝って生き抜いてきた民族なのです。


さらに、皮肉なことに今回の経済制裁でエネルギー価格が高騰し、むしろロシアは原油やガスを高く売れて得をしているという指摘すらあります。


なんかやりきれない。




翻って今の日本にロシアほどの粘り強さがあるでしょうか。


一次エネルギーの大半を輸入に頼り、原発活用もままならない。再生可能エネルギーの切り札、洋上大規模風力も周回遅れ。


食糧自給率は先進国最低レベル。


頼みの製造業、輸出企業も落ち目。


日本は万一経済封鎖でもされたら、瞬殺されてしまいかねません。




日本円の暴落は米国の金利高が原因のように言われていますが、円は他国通貨に対しても劣後しており、あらためて日本経済の脆弱性がクローズアップされているともいえます。


利上げして自国通貨を守れないほど、日本経済は衰えている。


貿易赤字が定着し、経常収支黒字が漸減しているところも気になります。




日本で生活する我々は給料、年金を円で受け取らざるをえません。その価値が日々失われ、これからも続くというのなら危機的です。


海外移住が出来ないのなら、せめて資産運用だけは外貨建てにして、円の価値下落から身を守ることが一層必要になるでしょう。


この期に及んでも日本人の大半は銀行預金しかしていないということですが、いくらなんでもそろそろ改めなくてはいけないのではないでしょうか。