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eMAXIS Slim 米国株式 S&P500の毎日積み立て始めました。since July 2019

eMAXIS Slim 米国株S&P500 だけで良いのか問題: その2、eMAXIS Slim 先進国株式をちょい足しする意味について考える。

注)いずれの情報もMUFG国際投信の2020.1時点の報告書に基づきます。詳しいデータはネットでPDFファイル閲覧可能です。



同じeMAXIS Slim シリーズ、S&P500と先進国株式。結論から言ってしまうと、非常に似ており、相違点より類似点のほうが多いと言えます。

1.対象国

S&P500は当然、米国100%。先進国株式は米国が一位で67,9%。おおまかに言うと7割弱は同じとなります。もちろん先進国株の方は、米国株全体のインデックスを用いていますから、厳密に同じではありませんが、ほぼ同様と見なしても良いでしょう。為替リスクという観点からしても、S&P500と比較して7割弱の部分は同じドル円リスクがあります。

2位以下はイギリス5.6%(ポンド)、3位フランス3.8%(ユーロ)、4位カナダ3.6%(カナダドル)、5位スイス3.3%(スイスフラン)、6位ドイツ2.9%(ユーロ)、7位豪州2.4%(オーストラリアドル)、8位オランダ1.3%(ユーロ)、9位香港1.1%(香港ドル)、10位スペイン1.0%(ユーロ)、11位以下のウェートは8.1%です。ちなみに、先進国でも日本は含まれていません。

面白いのは順位、比率が必ずしもGDPの大きさを反映していないこと。本来ならドイツが2位になってもおかしくありませんが、経済規模で遥かに劣るイギリスが2位です。これは一般に市場取引が可能な(流通している)上場株式時価総額を反映していると考えられます。ドイツ企業は伝統的にコーポレートファイナンスに依存し、銀行が企業の株式を多く保有する伝統があります。フランス、イタリア、スペインなどは大企業、基幹産業に国営、半官半民企業が多くあります。従ってこれらの国々は株式市場のウェートは高くありません。同じ欧州でも逆にイギリス、オランダなどはアメリカに近く、株式市場の役割が大きいと言えます。旧植民地のカナダ、オーストラリアはやはり英米に近いでしょう。

こと為替リスクだけに限定すれば、先進国のほうが分散効果があるのは明白です、ただそれも3割ほどではありますが。現在はポンド、ユーロ、オーストラリアドルなどは、円やドルより比較的安いといえるので、チャンスかもしれません。



2.投資セクター比較

ソフトウェア・サービス :S&P5001位→先進国1位

メディア・娯楽     :S&P5002位→先進国5位

医薬・バイオ・ライフ  :S&P5003位→先進国2位

テクノロジー・ハード  :S&P5004位→先進国6位

資本財         :S&P5005位→先進国4位

ヘルスケア機器、サービス:S&P5006位→先進国7位

小売          :S&P5007位→先進国10位

銀行          :S&P5008位→先進国3位

各種金融        :S&P5009位→先進国圏外

半導体、半導体製造装置 :S&P50010位→先進国圏外

(ちなみに、先進国9位はエネルギー、10位は食品・飲料・たばこ)

両者よく似ていると言えば似ている。しかし微妙に違うというところでしょうか。ウェートは書いていませんが、1位はいずれも10%を越えで、ソフトウェア・サービスです。いわゆるGAFA等7ですね。

先進国のほうは、銀行の順位が上位です。S&P500は10位以下で圏外のエネルギー、食品・飲料・たばこがトップテンというのも面白いです。

ヨーロッパ、オーストラリアが入っている先進国は比較的に若干ディフェンシブにウェートが寄っていると言えるかもしれません。不況には強いが、長期保有前提の投資信託では、成長性という点でどうか?難しいところです。



3.組入上位10銘柄

比較して驚いたのですが、組入上位10銘柄は殆ど同じなのです。違いは唯一、S&P500で入っているバークシャーハザウェーが先進国には入っておらず、代わりにネスレが入っているだけ。

これ以外の9社は順位の微妙な差はあっても、いずれもトップ10なのです。

ちなみに銘柄を挙げると、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェースブック、アルファベット(A&C)、JPモルガン、ジョンソンエンドジョンソン、ビザと全て米国株です。

さもありなん。どちらもGAFAを中心にみんな大好き超優良銘柄が顔を揃えていますね。ちなみにトップ10占有率はS&P500は22.5%(505銘柄中)、先進国は14.9%(1320銘柄中)。

やはり先進国のほうが、GAFA依存度は低めです。GAFA割高懸念を持つ人にはよりアピールできるかもしれません。



4.その他

信託報酬は今や日の出の勢い、S&P500がやや優位で安いですが、いずれも驚異の低コスト0.1%前後で差は有りません。カントリーリスクについては、圧倒的に低いアメリカ一択か、リスク分散かというところですが、先進国なのであまり気にしなくてもよく、好みの問題だと思います。

国ごとの成長性、それも長期保有限定なので、長期的成長性を考えると、どうしても個人的にはアメリカ有利に見えて仕方ありません。人口増が期待できる。ハイテク、先端産業が次々生まれる土壌がある、株式市場が発達し機能し、株主資本主義が徹底しているなどです。逆に先進国のほうは比較的ウェートの高いイギリスの将来は不透明、オーストラリア、香港は中国次第、ドイツは保守的過ぎる、等々あまり良いイメージが浮かびません。偏見かもしれませんが。

もちろん、S&P500も死角はあります。格差激しいアメリカでサンダースのような社会主義が大統領になったら?と考えると背筋が寒くなります。株は暴落し、アメリカ資本主義の良い点が全て失われるかもしれません。



5.私的結論

個人的には、長期保有前提ならやっぱりS&P500という印象が強まっただけでした。ただS&P500の割高感とその他先進国の割安がマッチするタイミングがあれば買っても良いかな程度です。そうは言っても、先進国のほうを買えば、自動的に7割近くは米国株を買うことになるので、やはりそれほど変わりませんね。

ということで、現行のeMAXIS Slim 米国株式S&P500へのeMAXIS Slim先進国株式のちょい足しは、現時点であまり気が進まないというのが、私的結論です。






投資はあくまでも自己責任で。