そこまでやるのFRB
昨日の米国株先物は軒並み数%下げており、今朝はどの程度下げて終わるのか、と思って朝起きたら驚きの株価上昇。S&P500は0.8%ほど上げていました。
何事かと調べると、FRBが既発社債の購入を開始するアナウンスがあったとか。総額はマックス7500億ドルだそうです。
こういった手段で社債市場を支えます、というメニュー自体は3月の緊急対策プログラムに入っていたので、それをここにきて使ってきたというだけです。
でも何で「今」なんでしょうかね?必然性がわかりません。私には。
そりゃFRBが社債だってETFだってCLOにしたって、買ってくれれば市場は歓迎して株価も上がるでしょう。けれど野放図に買って自然な市場機能を人為的に持ち上げるのは慎重であるべきと思います。
理由1)先週末から少々株価は落ちていますが、まだ実体経済からしたら割高レベル。
理由2)第二波の懸念はあっても、雇用、消費、生産は確実に回復基調にある。
理由3)そして何よりクレジット市場は健全に機能している。金利の急騰もクレジットクランチも起きていない。その兆候すら無い。
にもかかわらず、FRBが社債市場にさらに介入すべきでしょうか。事態が悪化する前に先手を打ったということでしょうが、そこまでクレジット市場の脆弱さはないし、甘やかしすぎだと思います。
3月終盤以降、急ピッチで上げた株価の調整局面で下がるのは自然。そのうちポジティブ材料で当面は上がる。なぜ待てないのか放っておけないのか?トランプさんに叱られるのがそんなに怖いの?
私が文句言ったところで何ともなりませんが、今回のFRBの決定には納得しかねます。