為替の影響を実感しよう
ついにと言うか、もはやと言うか、S&P500は週明けの取引中ではありますが、今年2月の最高値を越えたようです。終値も3381.99ですから、最高値目前。
ナズダックはいきなり1%もの上げ。テスラの爆上げ効果のようで、テスラがS&P500に組み入れられるとどうなることやら。
さて、毎日積み立てているeMAXIS Slim米国株式(S&P500)も、さぞかし基準価額の最高値に迫っているかと、冒頭の公式リンクで確かめてみると。
2月の最高値に全く届いておらず、2月の最高価額から500円ほど安い12,311円(8月17日)
賢明な読者の皆様には釈迦に説法ながら、これはドル・円レートの影響によるもの。
今年の2月の半ばには1ドル≒111円くらいまで円安が進みましたが、ここ数日は円高で、1ドル≒105~106円のレベル。
頭ではわかっていても、為替の影響はこうして実際に比較してみると、決して小さくないと実感できますね。
このブログでも過去に何度か書いているかと思いますが、新型コロナ以降のFRBの前例無き超低金利、金融緩和。米国政府による大規模財政出動により、ドルはジャブジャブ状態。
もともとジャブジャブ状態でこれ以上の緩和が難しい、日本や欧州通貨に迫るところまで来ています。
これはすなわち、ドル安ということで、アメリカ経済が立ち直って金融引き締めに向かうまで、少なくとも理論上は続きます。引き締めは早くて2022年ということなので、ずいぶん先。民主党が政権を取れば、さらなるドル安も当然懸念されます。
このことは長期積立投資には有利に働くかもしれませんし、早期に解約し円に戻す必要のある方には不利かもしれません。
当面、数年単位でドル安、円高傾向が構造的に強いということは、株価とは切り離して、頭の片隅にしっかりと留めておいたほうが良いでしょう。
日本人が日本からアメリカへ投資する場合、当たり前ですが為替リスクからはどうやっても逃げられませんから。
ただ注意が必要なのは、理屈上はドル安傾向といっても、必ず数年間は実際にドル安継続と決まったわけではありません。為替は投機や政治にも左右されます。天変地異、戦争など不測の事態でも為替は大きく動きます。
結局のところ、株価や為替がどう転んでも、外国株式長期投資を心安らかに続けるには、自分で納得、許容できる範囲で、リスク資産への配分を守るということなのかもしれません。
実はそれが1番難しいのですけれど。