パウエル議長の変心ではなく
パウエル議長がインフレファイター、タカ派としてテーパリング、利上げを進めたのはそんな昔のことではない。
去年はトランプさんに罵倒され、パワハラ紛いの脅迫?受けても頑なに大幅利下げを拒んできた。
そのパウエルさんが、インフレオーバーシュートまで容認するとは。新型コロナは人の心まで変えてしまうのか?
もちろん、そんなことはなくFRBとして最も恐れるべきはデフレ期待の定着であり、雇用の改善が一丁目一番地であり、そのためには一歩踏み込んだ金融緩和を継続するとコミットしたまで。
物価と雇用の安定は古よりFRBのミッション。それに忠実に従えば、現状の金融政策はこうならざるをえないというだけのこと。
その割にはナスダックが下げて驚きです。債券が売られて長期金利が上がったことが嫌気されたのか。
ドルもそれほど安くなっていない。円がむしろ安い。
パウエルさんの講演は、私にはそれなりに結構踏み込んだなという印象ですが、市場はそれほどサプライズではなかったということ。
・確かにインフレ2%越えなどいつになるかわからない、随分先のことで今現在の金融政策にはあまり影響が無い。
・例えばYCC(イールドカーブコントロール)のような新たなスキームを導入するというトピックスも乏しく、現状大きな変更は無いことを市場に見透かされた。
ということかもしれません。
今回の講演で長期金利が敏感に反応したというのはなかなか注目で、もしこれが定着すれば株価の頭は抑えられ、米国株バブルには一定の歯止めにはなると思います。
FRBがこの長期金利の高騰に対し、今後どう対処するのか注目です。まあ、イールドカーブは右肩上がりが健全なので、余程のことが無いかぎり放置でしょう。
米国株価が今後どう反応するのか、長期金利の動向と合わせてしばらく注視したいと思います。