毎日積み立て生活

eMAXIS Slim 米国株式 S&P500の毎日積み立て始めました。since July 2019

【悲報】日本の購買力は1970年代レベル

一橋の野口悠紀雄先生が、現代ビジネスにコラムを書かれていて、興味深く読ませていただきました。


野口先生は大蔵省から一橋大学に移られ現在は名誉教授をされている、世界的なエコノミストです。


コラムによると、日本の購買力は1970年代前半並みに落ち込んでおり、バブルの頃からすると半分ほどだそうです。


1970年代前半は子供なので実感は有りませんが、バブルの頃は仕事や勉強、観光でよく海外に行っていましたので、実感として私もよくわかります。




ところで野口先生は購買力を測るのに「実質為替レート指数」を用いられています。


これは購買力平価と実際の為替レートとの比率で、100を基準とすると、それを下回れば実際の為替レートは購買力平価より安く(円安)、100を上回れば購買力平価を上回る水準に実際の為替レートが設定されている(円高)。というロジックです。




何か小難しい話で恐縮ですが、簡単に言えば円安とか円高とか言いますが、不当に円安(日本人は海外から割高に買わされ損)か不当に円高(日本人は海外の品物が割安に買えるのでお得)を測る基準が実質為替レート指数ということです。


これによると今はすごい不当に円安で、購買力は1970年代前半レベル、つまり1ドル=300円~200円の頃と変わらないというのです。


ならばこれを変えるにはどうすれば良いかというと、野口先生は今の不当な円安を円高にすれば良いと、バブルの頃の購買力を基準とするならば、2倍ほどの円高、1ドル=60円くらいになりますね。




この説明を聴いて違和感を感じるのは私だけでしょうか。


野口先生に「いちゃもん」つける資格も無いし、先生の説明が論理的に間違っているわけではありません。


しかしこの説明には大事な部分が抜けていて、日本のGDP、もっといえば一人当たりのGDP(もっと簡単に言えば日本人のお給料)が増えていない、物価も上がっていないという点がスルーされているのです。


もしアメリカ並みに経済成長して、それに伴い日本人のお給料も物価も上がっていれば、今の為替レートで日本人はバブル期並みに海外で贅沢できます。


これは小学生でもわかる理屈。バブル崩壊以降、日本人の平均給与は殆ど上がっていないのですから。


為替レート「だけ」が悪者ではありません。




為替レートを人為的に操作することは国際的に許されません、日本が保有する巨額の米国債を売却すれば出来ますが、そんなことしたらアメリカからまた原爆が飛んできますよ。


そんなことではなく、消費に懲罰的な消費税を下げたり、巨額の貯蓄が投資に向かうような投資優遇税制をして経済を成長させることこそ必要なのです。


そうすれば日本人の所得は回復し、また日本人が欧米で上客として迎えられる日も来るでしょう。


多分、新総裁が頑張ればまだ間に合うかもしれません。