【油断大敵】もう一つの「油」危機
ロシアのウクライナ侵攻により、エネルギー価格が高騰し我々の生活を脅かしている。
ロシアは原油、ガスの大規模産出国であり、ヨーロッパはロシア産エネルギーに大きく依存しているため、ガソリン代や電気代が何割も値上がりしている。
日本の依存度はそこまではいかないものの、円安と相まってエネルギー価格は上昇中。
もっとも日本の場合はガソリンにかかる税金が法外に高く、消費税と二重課税になっていることの方が問題で、税金を下げれば随分緩和されるのだが。
実際は財務省とそれを取り巻く族議員、首相周辺(宏池会)が減税は絶対に許さないというスタンスなので、詮無いことではある。
まさに「油断大敵」。
これとは別の「油」供給問題が起きていることは、あまり報じられていない。
その「油」とはパームオイル(ヤシ油)。ヤシはヤシでもパームオイルを抽出するアブラヤシはココナッツヤシとは異なる。
パームオイルは植物油として様々な食品、石鹸に用いられるほか、工業用の用途もあり、我々の生活には無くてはならない。
そのパームオイルの世界最大の生産地で世界の約6割を生産するインドネシアが、4月末よりパームオイルの輸出全面禁止に踏み切った。
理由はパームオイルの国際価格高騰で、インドネシア政府は自国民への供給優先したということ。
ロシアの侵略戦争の影響で、ウクライナからのひまわり油の供給が途絶えたことが大きく影響していることは言うまでもない。
ガソリンほどは目立たないが、先述したようにパームオイルは我々の生活に無くてはならないもので、その6割を供給するインドネシアが海外に売らないというのだから、パームオイルの価格は急騰し、これから消費者物価全体を押し上げるだろう。
本当に「油断も隙もありゃしない」給料は上がらないのに、インフレは止まらない。
せめて株くらいは上がってくれ。