【あえて悲観】S&P500、半値戻し完全達成ですが
今朝の米国株式S&P500はやっとor早々?2800突破の終値2846で取引終了。
2月の最高値と3月の最低値を比較して、そのうちの5割を回復。
相場的には一つの区切りということで、ここまで戻せば後は右肩上がり、最悪の2番底は回避、など目安みたいなものだそうです。
普通の状況ならチャート分析の結果そうだ、とプロのアナリストが言えばそうかもしれません。しかし今はアメリカも世界も新型コロナとの戦争中。
非常事態!
緊急事態!
なのです。平常時株式相場の常識は通じるでしょうか?
米国株インデックスファンの皆様は含み損が大幅に減ったり、含み益になったりでご同慶の至りです。申し訳ありません、あえて悲観シナリオの可能性を挙げてみます。
「治に居て乱を忘れず」が大事。最悪を想定しておけば慌てずに済みますから。
● ロックダウン、非常事態、緊急事態そのあとに
名前や程度こそ異なれど、世界各国で移動制限があり、経済活動が大幅に抑制されています。いずれはこの制限も解かれるでしょうが、それですべて解決するでしょうか?
私が悲観するのは、経済が回復するのに時間を要する、とかいうことではありません。
移動、接触制限を解除した時点で新型コロナが完全に消滅しているわけではありません。人々の活動が再開すれば、またどこかの時点で流行の第二波が来ない保証はありません。そうなれば再度、様々な制限が発動されて、経済活動は再びストップです。
当分はこれの繰り返しになるのではないでしょうか?なぜなら:
1.社会免疫が出来る→最低でも人口の6割が感染する必要ありといわれている。
2.特効薬の普及→既存薬(アビガン等)がもし特効薬となるのなら、1年以内にも
投与可能になるようですが、新薬開発が必要なら数年単位の月日を要する。
3.ワクチンは開発されても完全なものにならない、という医師の意見が大半。インフル
エンザワクチンと同様で100%有効というわけでは無く、流行抑制効果については
不透明。
ノーベル賞受賞された医学博士である、京大の山中教授が言われたように、この感染症とは長い戦いになる可能性は高いのです。
● 非常事態解除後も常に感染の可能性に怯えながらの生活
感染撲滅の切り札がない以上、いつ、どの国、地域からまた感染が広がるかわからない中で、完全に通常の経済活動が戻るでしょうか?
たとえば観光業、インバウンド消費だけを考えても、感染の不安が少しでも残るなら、止めておこうと考える人は一定割合いるはず。不要不急の旅行は完全回復には至らないでしょう。
不要不急ではない出張も国内はもちろん、海外なら一層その必要性が厳選されるでしょう。
これだけでも各国のGDP押し下げ効果は少なくありません。
● まとめ
正直考えたくもありませんが、1~2か月後にロックダウンや緊急事態が解除されても、以前のような普通の経済が戻ってきて、それが永遠に続くという確信が持てません。
運が良くても1年、下手をすればこれから数年、我々はだらだらと新型コロナに振り回されかねないのではないか?
そういった事態も覚悟しなければならないと思います。必然的に世界最強の米国株もこれからV字回復、あっという間に最高値更新とはならないということになります。
この悲観シナリオ、当たらないことを祈りましょう。
投資は自己責任で。